最も大きな点は、徳島赤十字乳児院との合併です。乳児院は、児童福祉法により昭和28年に認可された施設で、社会的あるいは医学的事情により家庭で育てることが難しい概ね満2歳までの乳幼児をお預かりして養育する徳島県では唯一の施設です。このようなお子さんの中には、入院するほどではないけれど医療的な配慮が必要な「病虚弱児」がいらっしゃいますが、近隣府県を含めて対応できる施設が数少ないのが現状です。「病虚弱児」の受入れを可能とし、健康上の問題が起こった時に迅速な対応がとれるように、乳児院を「ひのみね」の附属施設とすることになりました。この合併に伴い、「障がい者支援施設ひのみね」も附属施設とすることになりました。
令和5年1月に、「徳島県医療的ケア児等支援センター」を管理棟一階に開設しました。「ひのみね」では、これまでも地域連携課や地域支援課を中心に、在宅の方の支援には力を注いできました。令和3年9月に「医療的ケア児支援法」施行され、医療的ケア児支援センターが各都道府県に設置されることになり、これを「ひのみね」が受託しました。在宅の医療的ケアを必要とされる方とご家族が、より充実した生活を過ごされるためには、これまで医療的ケア児にあまり関わってこられなかった医療・福祉関係者や、教育・就労に関係される方々との連携強化が大切です。「徳島県医療的ケア児等支援センター」はケアには直接は関わりませんが、当事者の方々のニーズを満たすための懸け橋となる活動を展開していきます。
このように、「ひのみね」の福祉施設としての役割が相対的に大きくなりますが、小児科・小児神経科・整形外科・リハビリテーション科などによる専門的な医療が施設の核です。このことを明確に打ち出すために、「徳島赤十字ひのみね総合療育センター」という平成18年に徳島県から日本赤十字社が経営移譲を受けた時から使ってきた名称を「徳島赤十字ひのみね医療療育センター」に変更します。
リハビリテーション診療は当センターの診療の重要な柱ですが、人的な面や施設面の問題から皆様のご要望に充分にお応えできておりません。今年度は、スタッフを増やすとともに、作業療法・言語聴覚療法室を増やす計画です。
3月には利用者の方の骨と運動器を守るために骨密度測定装置 (DXA)を導入するなど、診療面でも充実を図ってまいりますので、今後とも皆様のご鞭撻・ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年4月
園長 加藤真介